<学問道場より転載>
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来週から始まる 総選挙 を前にして。
副島隆彦です。 今日は2012年11月27日です。 来週の12月3日(月)から総選挙(2週間)が始まります。
私は、今の石原慎太郎・橋下徹の「維新の会」と 安倍晋三の自民党の、両方を裏で引いている竹中平蔵(こいつが日本で最大・最高のワル)の仲立ち、肝いりで、選挙の後、大連立政権を作るのだ、と見ている。
そうなると この右翼というよりも極右政権(ファーファー・ライト・ウイング)は、やはり、アメリカの日本あやつり計画の予定表通り、全くそのままに、まず尖閣諸島の領有問題を計画的に起こして、日本を中国との数回の軍事衝突(戦争に突入する手前)させるための 政治体制づくりだとはっきりと考えている。
「日本を中国にぶつけよ」というアメリカの東アジア(極東)での「中国封じ込め」 containing China コンテイニング・チャイナ戦略の一環である。
だから、安倍晋三の自民党が、他の党よりも1議席でも多く当選すれば、「憲政の常道」で連立政権が出来るだろう。 これには、宗教政党である公明党も、それから、何と、野田佳彦たちの松下政経塾出の、汚れた政治家たち80人ぐらいも 民主党の旗のまま参加する可能性がある。
呆(あき)れ返(かえ)る売国奴どもである。そうなると、どう転んでも彼ら4党で 360議席(480のうち)を取ってしまいます。まさしく憲法改正と戦争への大政翼賛会(たいせいよくさんかい)の道である。
私たちは、小沢一郎と一緒に民主党から、消費税値上げ反対で脱出した「国民の生活が第一」の50人の議員たちを応援して、彼らの当選を強く願わなければ済まない。
しかし、このような 悪辣(あくらつ)な、日本国民の多数の意思を無視した、戦争態勢への政治体制づくりは、アメリカが計画して、石原慎太郎や橋下徹、安倍晋三(自民党内にたったの一人も自分で育てた弟子がいない政治家)を計画通りにあやつって、使嗾(しそう。噛んで含んで)して着々と動かしている。
この日本国の軍事体制化の計画は、それは、やはりヒラリー・クリントンの敷く、「アメリカに残されている力は軍事力だけだ」の凶暴な政策の実行だ。それは、中東アラブのシリアでの、去年からの計画的な「アラブの春」と言う名の、米軍が直接、出撃・進駐しない形での、 その国の民衆の反乱、反政府運動の形を借りた、謀略政治での、外国からのプロの殺し屋集団を数万人投入しての軍事制圧のやり方の、 その 東アジア版である。
ヒラリーとネオコン派は、下に転載する新聞記事の通り、今も、必死で、自分の後の国務長官に、自分の子分のスーザン・ライス(今は米国連大使。高学歴の薄い色の黒人女性)を押し込もうとして、米共和党の議員たちと激しい闘いを米議会でやっている。
凶暴なヒラリーの忠実な、女の子分3人が、「米軍を海外へ投入しないで、安上がりで、政権転覆、軍事制圧できる 民衆反乱を偽装する形の外交戦略」である、「・・・の春」戦略の立案実行者である。 前述したスーザン・ライスの他は、サマンサ・パワー(高学歴のアイリッシュ)、アン・マリー・スローター(同じく黒人女で高学歴の高官)の3人である。
女たちが、表面上だけ、アメリカ・デモクラシーと人権尊重の形を取りながら、諸外国で、残酷な戦争の泥沼状態を引き起こしている。
この背後には、アメリカの軍需産業界からの、「倉庫に山ほど溜まっている兵器の使い先を作ってくれ」という、いつもの動きが当然にある。 ヒラリーと子分3人の恐ろしい女どもの所業だ。この策略のコンベアーに、今の日本もきちんと上手に乗せられてる、ということだ。ヒラリーは、次の2016年の大統領の最有力候補として、早くも名前が上がっている。着々と世界を戦争の嵐の中に巻き込む計画の要素(ファクター)そのものだ。
この スーザン・ライスたちの米政府内での動きについて、綿密に評論しているのが、私たちのSNSIの研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)君が、この5月に出版した「アメリカ政治の秘密 日本人が知らない世界支配の構造」(PHP研究所、2012年5月刊)である。
この本は国際政治や日米外交を専攻する若手の研究者たちにはすでに読まれて、嫉妬妬みのこもった高い評価を受けている。皆さんも今からでも買って読んでください。
シリアのバシャル・アサド大統領(歯科医上がりの、気のいい、前の独裁者の大統領の次男坊。奥さんもいい人だ ) は自国で死ぬことに決めたようだし、家族はヨーロッパに逃がすだろうが、このようにして「アラブの春」などという軍事共謀路線でシリアは体制転覆される。アメリカが次に狙っているのはトルコとイランである。
この「アラブの春」という 謀略政治の手法の 日本版が、今、日本で実行されている石原、橋下、安倍の3人を使った、「日本を中国と戦争させよ。そのための政治体制を作らせよ」の 属国・日本への 苛酷な統制、支配の 実行である。
私たちは、身構えて、この世界規模での大きな企(たくら)み、企(くわだ)てを自覚して、はっきりと見ぬいて、そして、自分たちにできる限りの努力をして、そして、「中国と戦争をさせられる道への反対」と「アジア人どうし戦わず」の 正義の旗を立てて、理解し合い、協力できる人々との「何が何でも戦争反対」への国民団結の道を作って行かなければいけないと、思います。
騙されてたまるか、の 私たち日本人の土性骨(どしょっぽね)の見せどころだ。
今度の選挙では、480の議席のうち、野田たち民主党は120まで激減するだろう。自民党が130ぐらい、維新が100人ぐらい、公明党が20,みんなの党が10ぐらいだ。これを 合計すると何と380になる。憲法改正(石原慎太郎が生涯の悲願にしていそうなコトバだ)に必要な360を超える。 あーあ。あーあーあー、だ。
それ以外の「戦争への道反対」の小沢一郎たちは、全部で120議席しかとれない冷酷に計算して、こうなる。
選挙とは金(カネ)である。トルーマン大統領が言ったように、 “All politics are rocal.”「オール・ポリティックス・アー・ローカル」 で、すべての政治は、政治家たちの地元のどろどろの選挙地盤の話になる、のだ。
だから、民主党で、野田の言うことをきいて、「オール霞が関」の各省の官僚どもにヘイコラして、自分の選挙区に、いろいろな「合法的な形をした、公共事業や 福祉事業」のカネを、選挙の前に、土建屋(建設会社)やすべての商工業者たちに、下ろす、渡す、配る、ことで、選挙の票の動きが作られるのだ。
この泥くさいまでの、本当の政治のことを知らないで、「健全で、健康的で、政治で汚れていない私たち」 などという 脳タリンたちが、自分勝手な、正しいことを言ったって、そんなものは、貧乏人の床屋談義だ。
確かに、都市庶民で、無党派層の、ただのサラリーマンのような家族には、組織選挙の汚れた誘惑は無いから、そのような国民の票と支持に、小沢一郎と子分たちは期待し、希望の火をつなぐしかない。 それでも 政治と選挙はカネだ。カネの合法的な配り方。
だから私は、小沢一郎と鳩山由紀夫を裏切って、民主党に残って、野田たちアメリカの手先どもの、恫喝(どうかつ)と脅迫(きょうはく)に屈して、「選挙に落ちたくなかったら、(小沢から離れて)こっちに来い」と誘惑されて、それで、大臣や、副大臣にしてもらった約100人の民主党の若い政治家(現職の議員)たちのことを、思う。
私は、この ような苦渋の果ての変身をとげてでも、アメリカと官僚どもに屈してでも、政治家(国会議員)として、まず自分が生き残ることが、何よりも大事と考えて、「恐ろしいものには巻かれろ」で苦しい選択をした 政治家たちの 気持ちも分かる。だから、この人たちにも、頑張ってもらいたい。 これが政治だ。現実の国民政治だ。
私たちが今、知るべき、学ぶべきは、このことです。 副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
●「ポスト・クリントン 難航必至 「ライス長官なら阻止」」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012112602000097.html
東京新聞 2012年11月26日
クリントン米国務長官の後任人事をめぐり、オバマ大統領と野党共和党の攻防が激しくなっている。大統領の意中の候補として有力視される スーザン・ライス国連大使(48)の起用には共和党が反発。大統領がライス氏を指名すれば、上院の承認は難航必至だ。
「ライス氏に国務長官の資格はない。私の権限をすべて使って就任を阻止する」。共和党のマケイン上院議員は先のテレビ出演で徹底抗戦 を宣言した。
六日の上院議員選で与党民主党は多数派を維持したが、共和党の議事進行妨害を阻止できる六十議席には届かなかった。オバマ政権二期目 の閣僚は上院共和党からも承認されなければ就任できない。
共和党のライス氏批判は、リビア米領事館襲撃事件の対応が理由だ。ライス氏は当初、事件が「反米デモから自然発生した」と説明した。 実際にはテロだったことが後に判明しており、ライス氏の誤認で米政府の初動が遅れたというわけだ。
一方、オバマ大統領はライス氏に絶大な信頼を寄せる。再選後初の記者会見では共和党のライス氏批判を強い調子で非難。同氏の能力を高 く評価した上で「国務省にとって最良の人物なら長官に指名する」と述べた。
ただ、共和党を敵に回して長官人事が宙に浮けば、米外交が機能不全に陥りかねない。このため、上院の承認が得やすい長官候補として民 主党のケリー上院外交委員長の名前も挙がっている。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
<転載終わり>
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いよいよ来週から選挙戦が始まりますが、このままいくと自民と維新が大きく躍進するように思います。そして、自民と公明、維新、みんなが大連立するということも考えられると思います。大連立になれば、どんな法案でも大政翼賛的にドンドン可決されるはずです。
今の日本国民からすれば、中国と戦争するなんてあり得ないと誰もが思っていると思いますが、大東亜戦争の時でもアメリカと戦争するとは誰も考えていなかったといわれています。ところがアメリカと戦争する流れになってしまい、結果的に日本では310万人もの尊い命が失われました。
アメリカのエージェントとして大きな役割を果たしているのが竹中氏だと副島氏は言っています。竹中氏はそれほど大物には見えませんが、副島氏が言われるには大きな力を持っているそうです。アメリカからの信頼が厚いということのようです。
間違っても日中が戦争にならないよう私たち市民も警戒する必要があると思います。