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安倍首相の靖国参拝問題」の続きを書きます。 副島隆彦氏

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<学問道場より転載>

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「安部首相の靖国参拝問題」の続きを書きます。    
副島隆彦です。  今日は、2014年1月13日です。

1. 皆さん。昨日の「今日のぼやき」の方に、石井利明(いしいとしあき)君の「 明治期の慶応義塾で 最先端の学問を教えたのは ユニテリアン(フリーメイソンリー)たちだった 」論文が載っています。大変、優れています。 読んで下さい。現在の私と弟子たちとの研究課題です。

2. 私が、さっきネットで最新ニューズを見たら、 「 TPP、空中分解の危機 「次が駄目なら大変なことになる」 」(産経新聞 2014年1月12日)とあった。 TPPの交渉は、空中分解の危機だそうだ。 きっと大変なんだろうなあ、と私は笑ってしまった。

 この世の、たいていのことは、「すべては他人事(ひとごと)」( 私が尊敬する山本夏彦=やまもとなつひこ=翁のコトバ)だ。皆、自分の生活のことで手一杯である。政府=政治権力者たちのやっていることなど、知ったことか。追い詰められて、生きるので精一杯の国民の多くは、国(くに)がやっていることなど、ほとんど知らない。本当に大事なことは全部、隠して、報道しないことで、今の世の中は成り立っているからだ。

 あとの方に、私が、今、取り組んでいる 「安部首相の靖国参拝(12月26日)がもたらしている、世界(中、各国、とりわけアメリカ)との対立、一悶着(ひともんちゃく)」の問題での、私が4年前の2009年に書いた 文章(ここの重たい掲示板に書いた)を載せます。

 教えてくれる人がいて、読み直してみたら、今の私、副島隆彦の文章( 1月9日に「1514」番としてここに書きました)と、ほとんど態度が変わっていないので、自分でも驚いた。

3. 政治は力学(りきがく。初期の物理学。ダイナミックス dynamics)の法則で動く。政治(ポリティックス)は、人間集団の勢力としての力の動きだからだ。 利害衝突を巡る激しい争い現象を象徴的な問題にして対立するからだ。

 安倍政権は、予め深く仕組んだ総選挙(2012年12月)そして参院選(翌7月)に圧勝して以来、日本国内では、すべての国内反対派を制圧しているように見える。有頂天( うちょうてん。“我が世の春“)である安倍政権(自民党タカ派勢力)であるから、何でも好きなように出来る、と思い込んだ。そしたら、絶好調からの転落がすぐに始まった。賢い人なら知っているが、常に「一寸先は闇」なのである。

 国内には公然たる反対派は存在しない。だから、政治力学の 力(ちから)の拮抗点(きっこうてん)の目盛りはずっと右の方にずれた。今の均衡点(エクリブリアム)は、外国(アメリカ)との鍔競(つばぜ)り合いになっている。「 政治力 」間の均衡もその均衡点で決まる。均衡点はどこで成立しても、どこに有っても構わない。 遭遇戦(そうぐうせん)が、世の慣(な)らいである。

 戦国時代の日本で、西暦1600年に、岐阜県都と滋賀県の境目の、関ヶ原が両勢力の睨(にら)み合いの結節点になった(古代以来、「不破(ふは)の関」と呼ばれた)ことと類推できる。結節点=均衡点=睨み合いの場所=目盛りの位置=遭遇点 は、どこであってもいい。 

 日本国内のリベラル派=反戦争勢力 が、ガタガタに崩れて勢力の体(たい)を成していないのなら、安倍政権は、外国(アメリカ)との拮抗点(対立点)が、次の政治の焦点(フォーカス)の場所となる。今はそこだ。

4.私は、次の話題が都知事選になっていることに、苦々(にがにが)しい思いをしている。都知事選などどうでもいいのだ。誰が都知事になっても何の変わりもない。目立ちたがり屋たちが、出てきて騒ぐだけだ。一国の切実な政治問題には何の関係もない。

 どうせ舛添要一が勝つ。そのように初めから(マスゾエが、去年、参院選に出なかった時から。アレ? 何か仕組んでいるな、とあのとき私は勘づいた) 計画している。 細川護煕(もりひろ)では勝てない。ただの反対勢力の結集だ。どうして、首相経験者が、またぞろ出てきて格下(かくした)の公職につくのだ。
 
 この国の政治家たちは、みっともない。だらしない。首相経験者たちが、10人以上もそのあとも、ぞろぞろとそのまま国会議員であり続けている、などというみっともないことをするな。全員、引退せよ。自分の生活費の必要で、90歳近くまで議員をやり続けるのか。恥知らずたち国の政治慣習だ。

 私が不愉快なのは、政治の場は戦場だから、次々と負けた者たちが、敗残兵となって国政(こくせい。国家レベルの政治)の場から消えてゆく。一度は大きな志を抱いて政治家(国会議員)に成ってが、ひどい目に遭って消えていった多くの若い人間たちのことを、私は、考える。

 政治はショーでもあるから、次々とショーの場面が変わって、以前の戦いの場で頑張っていた人たちが、すべて捨てられて過去に人になる。次々と焦点(華々しい場面)が変わって、国民という観客席に向かって、芸能人ども(含む、各種スポーツ選手。彼らも芸能人だ) と全く変わらない。

  国民の代表(レプレゼンタティヴズ representatives )というにはこんなにも軽い存在なのか。だから、陰に隠れて、裏の方から、“顔無し君”である官僚たちが、すべてをあやつるのだ。政治家たちになど、何の実質の力はない。安倍晋三にしてもそうだ。

 特殊な宗教勢力を代表している、という以外の本当の指導力なんか有りはしない。取り替えられたら、それで、おしまいだ。 アメリカは、「次は誰にするかな」と、すでに内々で協議している。 

副島隆彦の「帝国−属国理論」を甘く見ない方がいい。

 「反原発」を標語、旗印(はたじるし)にして、細川と、小沢一郎と、小泉純一郎 と、菅直人までが結束するのだそうだ。これを、「三国協商(同盟)」(トライ・アンタント Triple-Entente)という。

 世界政治では、最強国 を孤立させるために、それ以外の国がまとまって、最強国の 足を引っ張るという、政治力学の法則に従った動きをする。だから、今の日本国内では、安倍晋三の一人勝ちだから、それに反発する、「自分も安倍と同格だ」と思っている大物たちが団結する、というだけのことだ。くだらない。ここには国民生活の切実な課題を巡っての必死な感じがない。 

 自分の生活の必死さを、一番感じているのは、中小企業の経営者たちだ。従業員の給料を払うことで精一杯になっている。この人たちが、舛添さんなら都政ぐらいは安心してやらせることが出来るよ、丁度いい、芸能人のセンス(上手なアナウンス能力さえあればいい、ということ)もあるし、官僚たちともケンカが出来るだろう、と判断していると、私、副島隆彦は判断する。

5.ここで、「反原発は、世界のリベラル派の結集軸だ。だから自分は反原発だ」と今も信じて疑わない者たちに、私から反論しておく。

 日本は、貿易赤字に2012年から転落した。もうすぐ経常収支(けいじょうしゅうし)も赤字に転落しそうだ。その原因は、燃料代(エネルギーの輸入代)である、石油・石炭・天然ガス(火力発電所の運転費用)が嵩(かさ)むからだ。

 私が、私の金融本でずっと書いて詳しく説明しているとおり、2012年で6兆円の燃料代が増えた。2013年は、おそらく10兆円に近くないっている。 原発を動かさないからだ。 誰が、この負担を真剣に考えるのか。企業経営者のまっとうな保守精神をした、責任感のあ者たちは、このことを正面から考える。 馬鹿は考えない。

「原発というのは、トイレのないマンションだ。核廃棄物の廃棄処理のサイクル技術は完成してない。放射性廃棄物の半減期は、2万7千年だ」と、言い続けている人たちが今もいる。 自分のことをインテリ(頭がいい人間)だと、密かに自惚(うぬぼ)れている。

 原発運用、核燃料の処理の問題の、専門家の学者たち(東大工学部と 東工大にいる)に、冷静に話をさせるべきなのだ。彼らのことを、一絡(ひとから)げにして、「原発御用学者ども」と、知能の足りない恐怖感からくる集団ヒステリーに罹って、大騒ぎしたものだから、自分たちの内心に、深く恥じているものだから、彼ら、原発管理・運用の専門家の原子力工学の専門家たちの意見を、真剣に聞こうとしない。 それが、自民党支持者(ネトウヨまでを含めた)を含めた臆病者どもの、今に至る怯懦(きょうだ)の態度だ。

 「トイレのないマンションが原発だ」と今も言う。 私、副島隆彦は、自分の体で、原発の近くまで何回も行って放射線量を測ったから、文科系知識人にすぎないが、それでも、自分の体で分かることがある。 私は、自分が実感で分かったことしか分かったとしない。

 核廃棄物など、それほど恐ろしいものではない。人体に危険でもない。このことを正直に、平易にいう人が、全くいない。私は、自分が、キチガイ言論人 扱いされることに、もう20年もたって、慣れているから、はっきりと言える。あと20年ぐらい経(た)てば、「副島隆彦が言っていることが正しかった」となるだろう。その時は、私は、もう死んでいるだろう。

 原発から出る核廃棄物を、再処理して、高濃縮のプルトニウム(これが核兵器になる)を取り出したあとは、まとめて濃縮してドラム缶の親玉みたいなものに詰める。私は、10年ぐらい前に青森県の六ケ所村の核サイクル施設を、なぜか、見学に行っている。ここで、大型の、高さ8メートルぐらいの楕円の卵型の容器にすべてを詰めて、それが、何千本も、六ケ所村の、巨大な地下の空間に貯めてあった。地下の施設の長さ=奥行きは5キロぐらいあるのではないか。

 核廃棄物を、危ない、危ないと、言い過ぎる。私は、瞬間(爆発性の)被曝であれ、作業員(積算、せきさん)被曝であれ、 2シーベルト(2000ミリシーベルト=2百万シーベルト)以下の放射線量は、人体に悪くない、と考えている。 

 あまりにも極端だと言うか? このことについては、どうか、私が弟子たちと書いて出した『放射能のタブー』(KKベズトセラーズ、2012年刊)を読んで下さい。何と、この本を苦労して出してくれた、編集者が、先日、私に、「副島先生。彼らを説得するのは無理でしょう」としみじみと言った。 私は唖然とした。

 だから、「トイレのないマンション、原発」という 恐怖心を散々、煽って、それで、そこで思考が停止している、多くの原発恐怖症患者に、私は、「そんなに心配することはないんだよ。人間が作ったものだから、人間は問題の解決策も作るんだよ。」それがサイエンス(学問)と技術(テクノロジー)の進歩ということだ。

核廃棄物を過剰に危険だと言う人々は、原発利権に絡んでいる人たちだ。核廃棄物の処理でも、高い金(予算)をふんだくりたいものだから、(この悪巧みは、GE=ジェネラル・エレクトリック社が、東電を脅して、唆(そそのか)して作ったものだろう)だから、核廃棄物を過剰に危険だと、言い募(つの)るのだ。使用済み核燃料など、何の危険もない。ただの燃えカスだ。

メルトダウンだとか、メルトスルーだとか、馬鹿なことを書き続けるな。45シーベルトの放射線量が出た、とか、扇動ばかりする。今も、映像を見ていると、原発作業員たちが、淡々と、原発のわきで作業をしているではないか。何を遠くから、そんなに顔を引き攣らせるのか。

「原発作業員たちの現場は危険であり、劣悪だ」とか、聞いた風なことを言うな。日本全国の、そこらのマンション建築現場の作業員(肉体労働者)たちの作業所の雰囲気と、まったく同じに決まっている。これまでに作業現場での肉体労働というのをしたこともない人間たちが、勝手な妄想で、インテリぶって、あれこれ馬鹿なことを言うな。 

 お前はどうなんだ、と反論されるなら、私、副島隆彦の人生行路は複雑だから、現場作業の肉体労働も少しだが知っていると答える。 工場の労働者というのは、要らぬ、余計なことは、しゃべらない。ボーボー火が燃えている現場で「これが自分の仕事だから」で働いているのだ。人からの哀れみや同情など無用である。

放射線量が50ミリシーベルトぐらいの危険な作業工程ですが、だれでも出来ますから、日当5万円でやりませんか、と誘われれば、私、副島隆彦は今でもすぐ行くぞ。本当だ。何もコワイことはない。

 何をそんなに、「自分の脳の想像力」だけで、勝手に怯(おび)えているのか。そのくせ、日常生活では、何の心配もしていないで、生きているくせに。 原発問題をイデオロギー化してしまっている、おかしな人間どもだ。

 それに、核廃棄物というのは、それほど危険な放射性物質ではないことが、私は、分かった。だから、「私は怖がらない」と、誰に向かっても言います。 おそらく高田純(たかだじゅん)札幌医大教授が、この「放射線防護学(ほうしゃせんぼうごがく)」の権威であり、本当の専門家( 福島原発事故の前から、自分の体で被曝実験とかしていた。

 彼が2007年に書いた『核爆発災害』(中公新書)である。もうすぐ事故から3年が経つのだから、高田純氏が、自民党や民主党の政治家たちに、ずっとご進講(しんこう)して回って、真実を政治家たちレベルでは知ってしまっている。

 ただし、「これを言うと、自分たちが袋叩きにされるから、有権者(国民)にはまだ言わないようにしよう」と、勝手に、政治家たちは神妙になって、組織決定で馬鹿な緘口令(かんこうれい)を敷いている。 

 「原発は、トイレのないマンション」だと、自分の口で、500回以上、確かに自分は言ったと正直に言える人とは、私は、おそらく2年後には真実はどうなのか、の決着をつけるでしょう。その時は、福島原発事故から5年が経つ。 

 福島では、赤ちゃんひとり、作業員ひとり、あの原発事故の放射能の影響で、倒れて発病している人はいない。これが、ずっと言い続けている副島隆彦の標語だ。

それから、気に入らないのは、医者たちの一部に、「原発事故の放射能が、長い目で見て、人体の細胞に悪い影響を与える危険性がある。遺伝子に影響が出る可能性がある」というのがいる。私は、この しったかぶりの医師たちにも、不愉快だ。専門家の振りをして、自分が、温厚で丁寧で、上品な、深い気配りのできる人間だと、まわりに売りたいばかりに、こういう「危険性の可能性がある」という、慎重な判断をすることが、優れた医者だと思い込んでいる。 

 自分の医学部の学生時代の友人で、放射線医学者になった者たちから、もっとしっかりと知識を学べ。 放射線医療の医師たちは、長年の経験から何でも知っている。放射線医学者たちも、原子力工学の専門家たちと同じく、「余計なことを言うな」と政府から、脅されて、規制されて、何も言わなくなっている。

私は、会員ページで、日本の放射線医学の若手の権威である、中川恵一東京大学医学部附属病院放射線科の准教授にズケズケと聞き出して、対談している。自分で読んで判断しなさい。 福島原発事故のあと、何と、直後の、2011年3月15日には、外国人記者クラブで、中川医師は、「事故は収まったようです。これぐらいの事故では、放射能による患者は出ないでしょう」とはっきり言った。

 そのユーチューブの映像も残っている。 私は、「中川先生は天才だ。さすが、東大教授だ」とホメた。 私、副島隆彦は、ちょっとやそっとの事では人(専門家)を褒めない。 こういう経緯(けいい、いきさつ)も皆、よく知っていて下さい。 大きな大勢に流されればいい、どうせ反対なんか出来ない、というものではない。 真実は、権力や体制よりも強い のです。

 以下は、私が、4年前の、2009年に、この重たい掲示板に書いた「小泉首相の靖国参拝」についての文章だ。

(転載貼り付け始め)

重たい掲示板 [1368] 私たちは、世界の大勢 に逆らったらいけないのである。

投稿者:副島隆彦投稿日:2009/10/07(Wed) 07:14:13

副島隆彦です。 (略)

日本は世界の大勢を敵に回すな。
 
 「世界の大勢、我れに利あらず。今は、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、世界の大勢に従う」と、敗戦の詔勅(しょうちょく。みことのり)を発表して、昭和天皇は、自ら1945年の8月15日にラジヲ演説した。

 私、副島隆彦が気に入らないのは、「世界の大勢」を知ろうとしない、日本民族の国内立て籠(こ)もりの言論の数々だ。世界を敵に回して、勝てると思うのか。 世界の大きな流れを知り、それに従うことこそは、民族が生き延びる知恵だ。アメリカ帝国でさえ、世界の大きな流れに逆らって、やりたい放題すると自滅するのである。 どうしてこういうことが分からないのか。

 それから人種差別、民族差別(の発言)はやめなさい。自分の考えや自説などのふりをして人種差別をして、それを当然だと思う、その自分の脳(頭)を疑いなさい。「 日本民族(は世界一優秀な、他のアジア人種とも違う)優等な民族だ」論 の類を、言わないと気が済まない馬鹿は、さっさと、学問道場から出て行きなさい。

 中国や朝鮮人の悪口を言わないと気が済まない人間というのは、日本国で、一番みじめな生き方をしている最低層の日本人たちだ。自分たちが、知能(学校での成績)その他で、ずっとまわりから差別されて来たものだから、自分自身の顔つき、風体(身なり)からして最低の人間たちであるものだから、自分の劣等感が逆流して、それで同じアジア人を蔑(さげす)まないと気が済まない人間たちだ。

 中小企業の経営者たちで、自分が従業員にまともな給料を出していないような人間ほど、チャンコロ、チョウセン人差別を、ずっと言っている者たちがいる。それで自分のことをなにがしかの人物だと思いこめるようだ。会って話してみると、実に貧相な人間たちだ。

 こういうのが、日本の右翼や愛国者を気取っている。アメリカに対しては、自分たちよりも優等の白人であるものだから、怖くて何も言えない。そういう者たちだ。このあとも、私は、この者たちを撃滅しつくす。
 
 この学問道場の先生である私は、民族差別や人種差別をしろとは一切、教えていない。 「日本民族は(固有に)すばらしい。中国、朝鮮を深く敵視し、攻撃し続けよ論」は、今も続いている。

 昭和天皇の深い決断の過程や、「ザ・カルト・オブ・ヤスクニ (靖国神社を狂信的に崇拝するカルトがかった日本の右翼たち)」に、ついては、私と弟子たちの共同論文集である、『最高支配層だけが知っている 日本の秘密』(成甲書房刊、2006年 ここのサイトでも売っています)である。こういうやや難しい本を読みもしないで、「私は、副島隆彦の読者です」と、あまり馴れ馴れしい態度をを取らないてください。

 いいですか。1978年に、昭和天皇(裕仁=ひろひと=天皇)は、「私は、靖国神社に参拝するのは今年からやめる」と決心したのだ。それは、東条英機大将(首相)以下の、自分の部下(臣下)だった戦争犯罪者と極東軍事裁判で認定された者たちが、この、1978年から、靖国神社に合祀(ごうし)されたからだ。

 昭和天皇は、「世界の大勢に逆らわない」ということを、自分の敗戦後の出発点にした人だ。それでアメリカが押しつけて下げ渡した、現行日本国憲法(別名、平和憲法)に従い、主権者(ソブリン)の地位を去り、自ら座敷牢(ざしきろう)に入った。
 
 東条英機(とうじょうひでき)以下の、戦争責任遂行者たち=最高戦争指導者会議のメンバー=御前会議 の出席者たち(だから、天皇自身も、本当は、戦争責任がある) は、敗戦後に、連合国側(=対日理事会) に裁かれ、軍事法廷(tribunal トリヴューナルと言う)で裁かれた。そして、世界を敵に回したことの責任を追及された。そして、東条ら7人だけが、絞首刑にされ悲業の死を遂げた。天皇は訴追から免(まぬか)れた。 世界規模での大きな政治判断があったのだ。

 昭和天皇にしてみれば、自分に忠実な臣下であった者たちではあるが、それでも、戦争遂行政府を指導したこの者たちは、「世界を知らなかった」のである。それで、「アメリカに大きく騙された。お前たちは知恵が足りなかった。知識と情報と学問が足りなかったから、騙された」のである。「そして、そのために自分と日本国民に大変な迷惑をかけた」のだ。 

 昭和天皇は、東条らに、そのことの責任を言いたかったのだと、私、副島隆彦は、日本の政治思想家として判断します。だから天皇は、「私は、もう靖国にはゆかない」と決断した。

 東条ら14柱の戦争最高指導者たちの御霊(みたま)で自分の臣下だった者たちを、天皇は祀(まつ)ることを拒否したのである。 悲しく死んでいった他の英霊たちを祀ることには異存はない。 だから東条らの合祀(ごうし)は間違いであった。昭和天皇は、そのように一人で決断して、ひとりで抗議して、以後、靖国には参拝しないストライキを決行したのだ。

 もし、君が、本当に、愛国者であり、右翼であり、民族主義者であるならば、この昭和天皇の おおみこころ に従え。 天皇のご遺志に逆らうな。 いいか。

 その御遺志とは、「世界の大勢に逆らうな」 ということだ。世界の大きな流れを読めない、深く考えて動けないような者なら愚か者だ。まんまと騙されて、またしもても戦争をさせられるように仕組まれる。 日本の国家戦略家(ナショナル・ストラテジスト)を自称して恥じない私は、いつもこのことを、自分への自戒として生きている。

 東条英機首相たちは、極東軍事裁判(東京裁判)に掛けられて、有罪判決を受けて、そして絞首刑になった。このとき、国際社会(世界の大勢)が、この者たちは有罪だと決断したのだ。有罪を言い渡された者たちも静かにこれを受け入れている。控訴した者はいないはずだ。

 だから、昭和天皇は、日本国の戦争犯罪を認めて、「自分たちは間違っていた。周囲を冷静に見る目を失って、世界を相手に無謀な戦争などするものではなかった」と反省したのである。だから、日本国と自分の責任を自覚して受け容れたのだから、だから、彼ら戦争犯罪者(ウォー・クリミナル)たちを、いかに「戦勝国側による勝手な裁判だ」と言っても、国際社会に向かって称揚するわけにはいかない。

 だから、国際社会(世界)の何たるかを知っている昭和天皇は、東条英機大将ら、自分の部下だった者たちを、戦没者慰霊碑(どこの国にもある、国家の鎮魂の公式の場所だ。より正しくは、世界基準では「無名戦士の墓」だ) に入れることを是認しなかったのでる。この判断は、日本国内での好き嫌いの議論の問題ではない。世界が許すかどうかの問題だ。

 あの「幸福実現自民党」の安倍晋三(あべしんぞう)でさえ、奥さんの昭恵(あきえ)さんと、先日、タイで、泣きながらアジア諸国の女性たちへの日本軍人がした多くの罪の事を詫びたのだ。外務省がそうしろ、そうしないと、アメリカが入国させないと助言したようだ。日本外務省の基本態度も、ずっと「戦争責任を認め謝罪する」だ。こういうことも知らないで、君は自分勝手なことばかり書くな。

 本当は、東条英機たちだって偉かったのだ。私の母は、戦中派の人間で、まだ生きていて病院を出たり入ったりしている。九州で私の実姉がそばで面倒を見ている。 彼女は、敗戦時は18歳ぐらいで女子挺身(じょしていしん)隊員であった。知覧の特攻隊の基地の血染めの戦闘服の補修のようなことをしていたと、語っていた。「特攻に出る日は、あの人たちは何も食べなかったよ」と言っていた。その私の母が、「 東条首相も偉かったんだよ」 と、ポツリと言ったことがある。

 ただし東条たちは、今の日本の官僚たちと同じで知恵が足りなかった。世界の動きを冷静に判断するだけの頭が悪かった。

 私の父は、最後の海軍で、学徒出陣組で、海軍の見習医官(敗戦時は、海軍少尉)だったが、戦後は医者をやりながら、それでも、時々、酒を飲んだ時に、「あの戦争は、国民が皆で戦ったんだ」 と言っていた。生きていれば、私と30歳違うから、86歳である。56歳で肝硬変で死んだ。今の私の歳だ。  

(後、略)

(転載貼り付け終わり)

今日はここまでにします。  

副島隆彦拝       <転載終わり>   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−    今回は安倍首相の靖国参拝や放射線、都知事戦などについて、いつものように歯に衣着せぬ意見を述べられています。    靖国問題や都知事戦については、多くの評論家が解説していますが、放射線は安全だという評論家や専門家はほとんどいません。副島氏は、放射線は瞬間的でも累積でも2シーベルトまでなら安全だといわれています。2μシーベルトでも大騒ぎしているのに、2シーベルトまでなら大丈夫というのですから、極論と言われるわけです。私は年間累積で2000ミリシーベルトくらいならホルミシス効果で健康に良い影響があると考えていましたが、放射線に関するあらゆる角度から調査をされて来た副島氏が、2シーベルトまで大丈夫というのであれば、それも視野に入れて考えるべきかも知れません。    少なくとも日本全国に多数のラドン温泉やラジウム温泉があり、古くから健康に良いといって多くの人々が利用して来たわけですので、放射線は本来身体には良い影響を及ぼすものだと言えます。    月刊『玉響』に連載しているエクボさんで発売された「エクボ200」という放射線を発する製品をπウォーターに入れて、毎日飲んでいますが、体調は結構いいです。毎時200μシーベルトの放射線を発していますので、放射能が怖いと言ってる人からみれば、オツムの足りない人と言われると思います。    ただ、中矢代表も言われていますように、放射線が身体に良い影響を及ぼすといっても、原発は廃止すべきだと思います。今でも福島では自分の家があるのに、帰れない人が多くいるわけですので、原発はなるべく早く廃炉にすべきです。また同じような事故を起こす可能性があるわけですから。100%安全と言っておきながら、今回のように大事故を起こしたわけですので、国民は国も東電もまったく信用していません。  尤も、副島氏が言われているように、放射線は安全ということを国が認めれば、福島で強制的に避難させられている方々も家に帰ることができますが。    *πの農業資材であるS−O1やバイオアース、π腐葉土に関する質問が毎日ありますが、3月よりπの新会社より販売開始となります。もうしばらくお待ちいただけますでしょうか。月刊『玉響』を購読されている方には、「農園便り」の記事の中でご案内します。現在ほうれん草で比較実験をしていますが、一目瞭然です。農園便りの記事の中で、いずれご紹介します。    中矢代表の沖縄講演会はほんの少しだけ席が残っているそうですので、関心のある方は日本弥栄の会さんにお問い合わせください。ただし、参加できるのは会員さんだけになります。大阪講演会も満席か、残っていても少しだけだそうです。沖縄と大阪講演会には関東のメンバーと一緒に参加します。沖縄の会員さんと楽しくお話しができればと思います。今から楽しみです。               ・学問道場

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