<ビジネス知識源より転載>
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■ 2014年1月:FRBの量的緩和の一部縮小
2014年1月には、米国FRBが、2012年9月から、1ヶ月に国債$450億
(4.5兆円)、住宅ローン担保証券のMBSを$400億(4兆円)買い続
けていた量的緩和第三弾(QE3)を、$100億(1兆円)縮小しまし
た。
量的緩和を停止するということではない。2014年中は続けますが、
「米国経済の、株価、GDP、失業率の様子を見ながら調整」という
あいまいな発表です。
2012年8月の米国FRBの総信用は、$2.8兆(280兆円)でした。2014
年1月23日には$4.0兆(400兆円)にふくらんでいます。
この間、米国FRBは、$1.2兆の国債とMBSを買い増しして、$1.2兆
(120兆円)を、米国の金融機関がもつ預金口座(FRB当座預金)に、
ドルの現金として振り込んでいます。この$1.2兆(120兆円)が、
量的緩和第三弾(QE3)による米ドルの増発額です。
http://www.federalreserve.gov/releases/h41/Current/
こうした、中央銀行の増発マネーが、100年に1度の信用恐慌と言わ
れた(前々FRB議長グリーンスパン)リーマン危機以降の、金融恐
慌を救い、世界の株価を、大きく上げてきました。2013年は、バブ
ル的な上昇だったと思えます。
▼【重要】合計1000兆円の、中央銀行によるマネーの増刷があった
2008年9月以降の、米ドル(米国FRB:+320兆円)、ユーロ(欧州EC
B:300兆円)、元(人民銀行:+300兆円)、円(日銀:+100兆円)
の、同時マネー増発額は、驚愕すべき1020兆円余です。
(注)中国人民銀行の元の発行額(=中国人民銀行の信用額)は、
一般に知られていませんが、GDP(820兆円)の70%の、560兆円で
す(13年10月)。リーマン危機以降の元の増発は300兆円と推計し
ます。
08年9月以降の、世界的な信用恐慌に対して、未曾有な金額1000兆
円余(世界のGDP 6000兆円の17%)の通貨を増発して、金融機関に
与え、1000兆円マネーによって、08年以降の、金融・経済・株価が
底上げされてきたと言えます。
この延長で言えば、米国FRBが「量的緩和を縮小する出口政策に向
かう」という方向は、大きな転換です。量的緩和を拡大することは
なくなったと見なされるからです。
ただし、米国FRBの量的緩和縮小の方向を、大きく補うのが日銀に
よる、月間8兆円($800億に相当)の、異次元緩和という円の増発
です。この円の増発は、国内金融機関が所有する預金の増加です。
この金融機関で増加した円は、米国の金利が上がると、ドル買い
(円売り)に向かうマネーです。あたかも、FRBから、日銀がマ
ネー増発のバトンタッチを受けたように、思えます。
FRBの$供給縮小と、日銀の円の大増発の、それにしても見事な時
期の符合です。FRBのQE3が1ヶ月$850億(8.5兆円)、日銀のマ
ネー増発が月8兆円と、金額までほぼ同じです。
<転載終わり>
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リーマンショックで世界経済が急激に悪化したため、アメリカやEU、中国、日本は金融緩和を進めたことは誰でも知っていますが、その合計が1,000兆円もあったとは知りませんでした。
・米ドル(米国FRB:+320兆円)
・ユーロ(欧州ECB:300兆円)
・元(人民銀行:+300兆円)
・円(日銀:+100兆円)
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合計 1,020兆円
今後はFRBは金融緩和を縮小し、今年中には終了する予定です。その替わりに、日本が同じ額だけ金融緩和をしますので、アメリカからバトンタッチされたことになります。
既にアメリカは15%程度金融を絞ったため、ブラジルやインド、インドネシア、トルコ、南アフリカなどの金利は高騰しています。トルコが12%、ブラジルが10%まで上がっています。今年でアメリカの金融緩和は終わりますので、今まで新興国に投資されていたドルが、廻らなくなって来ています。それで新興国の経済は急ブレーキがかかっています。
<日経新聞より>
▼フラジャイル・ファイブ(脆弱な5通貨) 米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小に伴って下落が進みやすい新興国通貨の総称。米モルガン・スタンレーが名付けた。ブラジルレアル、インドルピー、インドネシアルピア、トルコリラ、南アフリカランドの5通貨を指す。市場では世界経済の混乱要因として意識されている。高いインフレ率や経常収支の赤字で、成長資金を国外に頼る脆弱なマクロ経済構造を抱えている点で共通している。
これからはBRICsの時代だと散々持ち上げておいたかと思えば、今では「フラジャイル・ファイブ=脆弱な5通貨(ブラジルレアル、インドルピー、インドネシアルピア、トルコリラ、南アフリカランド)」と言われています。ずいぶんと落とされたものです。
今の世界情勢は、新興国が先にドボンするか、アメリカや中国が破綻するかという状況になってきています。どこから破綻してもおかしくはない状況です。それでも日本はアメリカや中国、新興国よりはマシだと思いますが、世界が破綻すれば、リーマンの5倍、10倍のダメージを受けると思います。
そう考えると、今が一番のんびりしている時かも知れません。