< 塩は天然の抗うつ剤より>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
塩は天然の抗うつ剤?
気分が落ち込んだときは塩分たっぷりの食事が効果的って本当ですか? その答えは、「おそらくね」とアメリカのアイオワ大学で生理学を研究するアラン・ジョンソン氏は言う。
同氏は、ナトリウムを欠乏させたラットが無気力状態に陥ることを発見した。例えば、バーを押すと砂糖水が出る仕掛けを飼育用ケージに設置してもまったく飲みに行こうとしない。しかし、「同じラットに塩分を与えると、どの個体もやる気を見せた」と同氏は話す。
ラットやヒトなど陸生動物は体内のナトリウム値が下がりすぎると、うつに似た状態に陥る可能性がある。そして、塩分を摂取するとうつ状態が緩和するとジョンソン氏は考えている。同氏は慢性疲労症候群を対象にした研究を指摘する。同患者の多くは健康上の理由から減塩していたが、食事の塩分量を増やすと、患者のうちの多くは慢性疲労の症状が軽減した。
陸生動物は常に細胞外液を適度な塩分濃度に維持しなければならない。それは遠い祖先が暮らしていた原始の海と同じ環境だ。体内でこの働きを担っている腎臓は、塩分濃度に基づいて尿の濃度を微妙にコントロールしている。
一方、現代人のほとんどが塩分を過剰に摂取している事実は誰もが知っている。過剰摂取の状態に慣れてしまうと、塩分が必ずしも体に必要でないときでさえ、塩分摂取に対し脳神経が“快のメッセージ”を送り続ける可能性がある。食べ過ぎや違法薬物を摂取したときに脳が活性化し、“報酬”として快の感覚が得られるのと同じことである。
したがって、塩分がたっぷりの食事をとって元気になろうとするのは間違っている。塩分と心的状態の関係はまだ解明され始めたばかりだが、塩分と心臓疾患との関連性については科学的に証明されているからだ。
研究成果の詳細は「Physiology and Behavior」誌に掲載されている。
Photograph by Walter Meayers Edwards
<転載終わり>
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
数年前に父は脳梗塞のため救急で入院しました。発見が早かったため、後遺症はありますが、何とか一人で身の回りの世話はできるまで回復しました。入院当時は、食事制限がありました。病人食はみなそうですが、塩気がほとんどなく、味噌汁もおかずも塩抜きでした。合計で3ヶ月くらい入院したのですが、担当医からは自宅に戻っても、塩分の少ない食事療法を指導されました。母は生真面目に、医者の言う通り塩抜き料理を作りました。
私も脳梗塞について調べましたが、そもそも動脈硬化が原因とのことでした。そして、塩分が一番良くないとあります。
あるサイトでは、
『脳梗塞の食事で気をつけたい物の代表格は、塩分ですね。そして動物性の油や刺激の強い物、タバコを吸う方は禁煙をしましょう。
これもよく言われる言葉ですが、低脂肪、低食塩、高タンパクの食事を出来るだけするのが望ましいといわれています。』
このように塩分が一番悪いとされ、医者からも減塩を指導されました。ですので、日々の食事は病院と同じように塩抜きになりました。3ヶ月くらいすると、血圧はかなり安定してきたのですが、どうも父が元気がないように思えました。口数も少なくなり、寝てばかりでした。
そのうちかなり良くなってきたので、医者の言うこともきかず、元の食事に戻ってしまいました。刺身や焼き魚に醤油をかけ過ぎると、母は心配していましたが、その心配をよそに父は以前のように気持ちに張りが出てきて、元気になってきました。
今思えば、この記事のように、塩抜きの結果、気持ちが沈んでいたのかも知れません。うつとまでは行かないですが、落ち込んだ状態だったと言えます。中矢代表が著書で、日本は塩抜きにされていると警鐘を鳴らしておられますが、まさにその通りだと実感しました。塩=悪 みたいに思っている人は非常に多いです。過ぎたるは及ばざるが如しで、塩が少な過ぎても、多過ぎてもよくないですので、中庸が一番ということですね。