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米国の量的緩和の行方

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<ビジネス知識源より転載>

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【米国の量的緩和の行方(ゆくえ)】
読んだ目的は、米国FRBの量的緩和第三弾(QE3)が、9月17、18日
に予定されている次回のFOMC(連邦公開市場委員会)で、どうなる
かを予測するためです。 FOMCは、金融政策を決めるFRBの会議体で
す。

日本を含む、世界の株価は、
・米国の量的緩和第三弾が、早く終わるという観測が出ると下がり、
・来年までは続くと見ると、上がっています。

昨年の9月に始まった量的緩和第三弾(QE3)は、米国の金融危機に
対して、中央銀行であるFRBが、毎月、米国債を$450億(4.5兆
円)、住宅証券のMBSを$400億(4兆円)買いとって、金融機関に
ドルを供給するプログラムです。

確認すれば、金融危機だから、普通は行わないQE3のようなマネー
増発を行っているのです。振り返れば08年以降、5年間も、中央銀
行によるマネー増発が、世界で普通のことになっています。

この5年、われわれの経済は、中央銀行のマネー増発(5年間で1000
兆円増加)の上にあります。といっても、これが、何を意味するか
わかりにくいでしょう。

簡単に言えば、世界の金融機関の資産である貸付金、国債や株を含
む証券、そしてデリバティブの価値下落で開いた穴(不良債権)に、
この1000兆円の中央銀行による増発マネーが覆いをしていて、その
上で、金融・経済が正常に見えているということです。中央銀行に
よる、普通はないマネー増発で覆いをされた上に、われわれの経済
があるのです。

最も多額のマネー増発をしたのが米国FRB、次が欧州ECB、3番目が
日銀です。この5年間で、先進国の合計では500兆円のマネーが増発
されています。中国を筆頭にした新興国の合計でも、500兆円のマ
ネー増発です。

以上が、世界の中央銀行のマネー政策を監視(モニター)している
BISの年次報告書で分かります。世界の中央銀行の政策は、このリ
ポートでしかわかりません。

英語で読みずらい文書ですが、掲載しておきます。2013年6月23日
に公開された最新版です。普通はわからないことが書いてあります。
本シリーズは、このリポートにも示唆を受けています。

http://www.bis.org/publ/arpdf/ar2013e.htm

中央銀行が国債や債券を買い取ってマネーを増発するのは、「金融
危機という異常な時期のもの」であることがすっかり忘れられてい
るようです。

この逆の量的緩和の停止(出口政策)は、マネー政策の正常化なの
ですが、それを行うと、世界の株価の下落と金利上昇という危機を
生んでしまう。

ここに、FRBのマネー政策において、08年のリーマン危機のあと5年
も続いているディレンマ(二律背反)があります。

米国FRBは、毎月$850億のマネーを増やすQE3(Quantitative Easi
ng3:量的緩和第三弾)で、年間ベースでは$1兆(100兆円)とい
う大きな額のドル増発を行っています。

これが投機資金になって、米国、日本、そして世界の株価が上がっ
ています。そしてこのQE3で、米国の経済は支えられています。米
国と日本の株価は、このQE3の上での価格です。

(注)日銀も、2013年4月から、毎月8兆円くらいの国債を買い切っ
て円を増発する「異次元緩和」を開始しました。経済の規模は、日
本は、GDPで1450兆円の米国の、約1/3です(479兆円:13年6月)。
日銀が計画している「異次元緩和」の金額は、米国のQE3とほぼ同
じ、月間8兆円なので、日本は、これから米国の3倍の金融緩和をす
ることになります。

米国ダウの平均株価(大手30社平均)は、$1万5000付近と、「史
上最高」の水準の価格です。米国株は、現在が、史上最高の高さで
す。経済の好調が最高株価を作っているのではない。原因は、米ド
ルの超緩和です。

(注)米国ダウの1株$1万5000(150万円)は高いと思われるでし
ょうが、それは、1896年(明治28年)から、株式分割されたものも、
一貫して1株として換算したときの株価です。米国では、個人が買
いやすいように、株価が高くなると2倍などに分割を続けています。
株数が2倍に分割された株式は、時価総額は同じでも、1株の株価の
価値は1/2に下がります。ダウでは、米国株価のほぼ120年間の継続
性を確保するために、分割がないとしたときの株価を計算していま
す。日経平均(225社の単純平均)の1万3660円(8月23日)やナス
ダックも、このダウと同じ計算方法です。

【13年5月23日の、世界の株価暴落も、QE3の縮小観測からだった】
2013年5月の講演で、FRB議長のバーナンキが、昨年9月から実行し
ていた「量的緩和第三弾」を、13年9月頃から縮小するととれる発
言をしたことから、日本を含む世界の株式相場には激震が走って、
暴落しました。

FRBの増発マネーを受け取った金融機関からマネーを受託し、それ
を運用しているヘッジファンドが、一斉に、先物を売ったからです。
FRBによる量的緩和の縮小は、月間に8.5兆円増えてきた投機資金が
なくなることを意味するからです。

13年5月に発生したのは、「FRBの量的緩和の縮小観測→ドル増発の
縮小予想→株式投機資金の減少→世界の株価下落」を材料とする先
物売りでした。先物売りは、その後に株価や国債価格の下落すると
き利益が出る取り引きです。

昨年来、日米のみならず、世界の株価は、同じ動きをしています。
理由は、FRBの量的緩和のマネーが、英米の投資銀行とヘッジファ
ンドによって世界の株の購入資金になっているからです。

例えば日本の株式市場は、外国人投資家(主は英国と米国のヘッジ
ファンド)による、オフショアからの売買が1日2〜3兆円の売買額
の60%〜70%を占めるために、完全に「ガイジンが動かす相場」で
す。

2012年11月から13年5月までの日本の株価の上昇(日経平均で8000
円→1万5000円)は、ガイジンによる約10兆円(毎月1.5〜2兆円)
の買い超によるものでした。

時価総額では、140兆円くらい増えているので(13年8月時点)、10
兆円の買い超によって、株式の全体資産が増えるレバレッジ率は、
14倍でした。1兆円の買い超で、時価総額で14兆円(約4%)が増え
たということです。

現在の株価で、ヘッジファンドが投機するときの世界的な基準に思
えるのは、PER(株価/次期予想純益)では15倍付近に思えます。13
年8月22日の日経平均、1万3500円(225種の単純平均株価の指数)
で言えば、PERは14.88倍です。東証一部の時価総額は396兆円で、
企業の純資産に対する株価の倍率は1.29倍です。

・日本の株が上がった週では、ガイジンが3000億円〜5000億円の買
い超であり、
・下がる週は、ガイジンの売買が均衡するか、売り超です。

以上は、法則と言えるくらい、決まり切った動きでした。

国債や債券と同じように株価も、買い注文が売り注文より多ければ、
売買を均衡させる価格にまで、上がります。売り注文が多ければ、
この逆です。

本稿では、
・最初に、08年以降、5年も続いている世界の同時マネー増発を振
り返って、
・次に、9月ではなくても、2013年の年内には確実に思える、米国F
RBの量的緩和(QE3)の、縮小から停止がもたらすものをテーマに
します。

FRBは、2013年の年内には、QE3の毎月8.5兆円のマネー増発の縮小
を開始し、2014年の央には、QE3を完全停止すると言っています。
なぜ、これを行うのか。なぜ、これを言うのか。

そして実際に、QE3を縮小し始めると、株価、国債、金利、外為は
どう向かうのかです。QE3がこれらの価格を決めているもっとも大
きな要素だからです。

2013年の5月以降、新興国からの米国マネーの引き揚げが大きくな
った結果として、新興国の株価は下がり、通貨も下がっています。

<転載終わり>

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 17日、18日でFOMCが開催されていますが、明日にはその結果が公表されるはずです。会議の結果QE3を止めることになれば、5月に起きたような株価、国債が暴落することになります。

 米国だけでなく世界はFOMCの会議の結果を固唾を呑んで見守っている状況ですが、もう赤字国債の発行を止めたと言えば、アメリカ経済はお金が回らなくなり、デフォルトになる可能性が高くなります。

 アメリカもEUも日本も、サラ金から借りて生活しているような状態ですから、サラ金からお金が借りられなくなれば、豊かな生活は諦めて、質素にするしかないわけです。単純なことです。贅沢をしないで、普通に暮らしていればそんなにお金は必要ありません。モノをドンドン買うからお金がかかるのですが、モノが売れなくなると資本主義は破綻します。日本では80%の人が勤め人ですから、モノが売れないと給料が下がるという堂々巡りの中に居ます。このシステムは誰でも少しはヘンだと思うはずです。今まで資本主義は皆の生活を豊かにしてくれましたが、そろそろお役御免が近づいて来たようです。

 *9月21日は中矢代表の横浜講演会が開催されます。今年から船井幸雄オープンワールドが無くなり、寂しい感じでしたが、中矢代表の講演会が開催されるというので期待が持てます。北海道から九州まで大勢の人が参加するそうです。懇親会もすぐに満席になってしまったそうです。久しぶりに関東の開催ですので、多くの仲間が来る予定です。懇親会では楽しくやりましょう!二次会もやりますので、参加したい方はどうぞ(いつもその場で決めますが)。

 

 

 

・ビジネス知識源


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