<株式日記より転載>
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増税派たちは「解散」で総崩れ 安倍首相が削除表明した「景気条項」とは何か 11月21日 長谷川幸洋
「有識者」ではなく、「国民」が増税判断できる状態に結果はどうだったか。「解散」の2文字の前に、増税派は総崩れ状態になった。自民党議員は言うに及ばず、なんと民主党さえも先送りを容認してしまった。理由は明白だ。国民の7割が増税に反対する中で、選挙カーの上から増税断行を唱えたら、とてもじゃないが当選がおぼつかなくなるからだ。典型的な「オポチュニスト(日和見主義者)」の行動である。
増税に賛成していた民主党支持母体の日本労働組合総連合会(連合)は、はしごを外された思いだろう。それも仕方がない。庶民の暮らしを守るはずの労組が増税賛成を唱えたこと自体が間違っていたのだ。19日午後、東京の日比谷公園では労組の集会とデモがあったが、宣伝カーは「消費増税ハンターイ!」と大音量で訴えていた。いまや労組勢力自体が分裂している。
安倍政権は解散に打って出ることで、与野党に深く根を張っていた増税勢力を切り崩し、先送りを確実にした。それは良くないことか。目的を達成したのだから、まず政権の勝利である。しかも、ここがもっとも重要なのだが、最終判断は国民に委ねられている。それは良くないことか。良くないどころか、それこそ民主主義そのものだ。国民に最終判断が委ねられなかったら、有識者の判断が勝ったかもしれないのだ。
増税派マスコミが「大義なき解散」と批判するのは、増税をめぐって大政局になり、安倍政権が崩壊するシナリオが消えてしまったのが悔しくてならない、という気分を反映している。彼らは安倍政権打倒が最終目的なのだ。ところが先手を打って解散を宣言され、安倍首相と戦うはずだった増税派議員たちは次々に膝を屈してしまった。それが腹立たしいのである。
今回の解散が「党利党略だ」という批判もある。これには「おいおい、大丈夫か」と言いたくなる。政治に党利党略以外の駆け引きがあるか。与党も野党も党利党略で行動するのは当たり前だ。解散で最終判断を下すのは国民である。国民が判断するのがけしからん、と言うのだろうか。まるで批判になっていない。
菅義偉官房長官の会見では「特定秘密保護法や集団的自衛権の閣議決定では、民意を問わなかったじゃないか」という質問も出た。今回の解散はダメで、集団的自衛権をめぐる解散なら良しなのか。国民は愚かではない。集団的自衛権問題も含めて国民はきちんと判断する。
増税と安倍政権打倒を目指すあまり、国民に選択を委ねる解散総選挙を批判するマスコミは、いまや国民の敵といってもいいくらいである。本末転倒もここに極まれり、という思いがする。
今回の解散はマスコミと政権の関係をこれまでになく鮮明に炙りだした。安倍政権打倒を目指しているのは朝日新聞と東京新聞、毎日新聞。逆に支持しているのは読売新聞、産経新聞と多くの人が理解している。日本経済新聞は霞が関支持であり、霞が関の意向に沿う政策なら安倍政権支持、沿わないなら反対とみていい。
私は新聞の立場が明確になるのは、必ずしも悪いとは思わない。それによって、言論の多様性が確保される面もある。だが、自分たちのスタンスを先行させるあまり、事実を取り違えたり、見たくない現実から目をそむけるようになっては、報道機関としておしまいだ。意見を主張する論説はともかく、事実を伝える報道は現実主義に徹するべきだ。
もう1つ。安倍政権が再選されたとして、景気条項を削除するとどうなるか。別にたいして変わらない。景気条項がないからといって、絶対に将来の増税を停止できないわけではない。実際、安倍首相はTBSの番組でリーマン・ショック級の危機が起きれば、再延期する法律を出す可能性に言及した。
それは当然だ。国会で作る法律はオールマイティである。前に作った法律の中身を新しい法律で無効にする例はいくらでもある。すなわち、景気条項にたいした意味はない。民主党の枝野幸男幹事長は「景気条項を削ったのは無責任」などと言っているが、これもまた核心を外した議論である。(一部敬称略)
(私のコメント)
今回の衆議院選挙は事実上の安倍内閣信任投票であり、盛り上がらない選挙になるだろう。野党の選挙態勢が後手後手に回り、自民党に対する対立候補が立てられない選挙区がかなり出るようだ。タレント候補なら何の準備もいりませんが、知名度のない候補は普段から票固めをしなければならない。
郵政選挙の時や政権交代選挙では風が吹いて、多くの小泉チルドレンや小沢チルドレンが当選した。前回の選挙では自民党が政権を奪還して100名以上の新人が当選しましたが、今回の選挙でどれだけ生き残れるだろうか。本来ならば消費税が争点になるはずが増税派だった民主党が増税延期派になってしまった。
長谷川氏が書いているように、「なんと民主党さえも先送りを容認してしまった。理由は明白だ。国民の7割が増税に反対する中で、選挙カーの上から増税断行を唱えたら、とてもじゃないが当選がおぼつかなくなるからだ。」と言うように民主党は世論の反対を知りながら増税に賛成だったはずだ。
安倍総理は野党ばかりでなく、自民党内の増税派や財務省とも戦わなければならず、アベノミクスを成功させるには増税を延期せざるを得ませんが、麻生財務大臣や三党合意した谷垣幹事長も増税断行派だった。普通ならば増税は確実な情勢だったのに、飯島氏のTVでの解散発言で解散風が吹き始めると増税派議員は浮足立ってしまった。
財務省が立てた万全な増税作戦は、安倍総理の思わぬ反撃にあって財務省は全面敗北した。与野党の対立と言うよりも国会議員と官僚との戦いであり、国会議員は国民の代表であり増税には反対のはずだ。しかし官僚は選挙で選ばれた代表ではなく単なる事務員に過ぎない。
単なる事務員がなぜ国会議員を「ご説明」に回っている事自体が越権行為と思えるのですが、巨大な官僚組織に国会議員も太刀打ちが出来ない。官僚組織が暴走し始めたら国会議員は止められない事は、戦前の軍事官僚の暴走に国会議員が止められなかった。515事件や226事件は軍事官僚の暴走であり、高橋、斉藤大臣が殺された。
現代でも財務省に逆らえば、スキャンダルをマスコミに流されて政治的に抹殺されますが、官僚の暴走を国会議員は止められない。「株式日記」では財政再建は公務員の給与カットを主張していますが、国会議員はそれが出来ない。官僚は情報でマスコミをコントロールできるから世論など簡単に操作できた。
しかしインターネットの登場で、マスコミに対抗する勢力が出来て、安倍総理などもネットの活用で初めて官僚やマスコミと対抗できるようになった。日本のマスコミは主義主張に先走るあまりに事実報道が歪められてきましたが、ネット報道でマスコミの暴走が糾弾された。朝日新聞の従軍慰安婦報道は主義主張に先走り過ぎて事実が歪められた典型だ。
長谷川氏は、「増税派マスコミが『大義なき解散』と批判するのは、増税をめぐって大政局になり、安倍政権が崩壊するシナリオが消えてしまったのが悔しくてならない、という気分を反映している。彼らは安倍政権打倒が最終目的なのだ。」と指摘していますが、増税派と官僚とマスコミを切り崩すには解散に打って出るしかなかったのだ。
<転載終わり>
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今年の4月から消費税が8%に上がりましたが、消費税を5%から8%へ上げた方がいいと考えている国民は、官僚とその関係者以外はほとんどいないように思います。欧州では、食料品や洗剤・トイレットペーパーなどの日用品は、消費税は0%か3%の国が多いですが、日本は食料品も贅沢品も一律に8%に上げたことが、そもそも間違っていると思います。
消費税を8%に上げると決定したのは民主党政権でしたが、自民党と公明党も賛同しました。消費税8%、10%への増税は民主党が言い出しっぺでしたが、今回は何と民主党も消費税10%延期に賛成しています。当時の民主党も官僚には逆らえなかったということでしょう。701年の大宝律令から1300年も、官僚が日本を支配して来たのですから、その力は強大です。
官僚とすれば、4月から消費税を8%に上げて、来年には目出度く10%に上げる予定でしたが、安倍総理の予想外の解散という一撃を喰らって、今ごろ地団駄を踏んでいることでしょう。年内解散は富士山会合でジャパンハンドラーズより押し付けられた格好ですが、それを逆手に取り、消費税増税見送りを選挙の争点としたことは、安倍総理の見事な采配だと思います。ジャパンハンドラーズに正面から反対すれば、歴代の総理大臣のように暗殺されてしまうので、安倍総理としては、ジャパンハンドラーズに従いながら、日本の国益を守るという大変難しい戦略を取らざるを得なかったのだと思います。
しかも今回の選挙は、アベノミクスが成功したのか、失敗だったのかを問う選挙だと、何度も演説していました。自分の政策を判断して欲しいと国民に訴えているのですから、何とも潔いと感じました。まあ、十分勝算はあると思います。
更に、マスコミは解散総選挙のことしか報道しませんが、その裏で安倍総理は、「改正テロ資金提供処罰法」「犯罪収益移転防止法改正案」「テロ資産凍結法案」のすべての法案を、11月19日の参議院本会議で可決成立させています。これで暴力団や反日勢力は金融機関の口座が凍結されるなどの厳しい状況に置かれることになります。
表では、解散総選挙で官僚・マスコミと闘い、裏では在日・反日勢力と闘う安倍総理は、歴代の総理の中でも突出しています。政界のサラブレッドで、生まれも育ちも良いけれど、滑舌があまり良いとはいえないため、誰もがお坊ちゃんだと思っています。実際お坊ちゃんですが。そのため、官僚もマスコミ、ヤクザ、在日、反日勢力たちも、安倍総理のことを甘く見て、油断していたところがあったと思います。
安倍総理の政策は、今後効いて来ますので、反日勢力は厳しい状況に追い込まれて行きます。一つしかない選択肢を探り、それを実行する安倍総理の裏には、諸葛亮のような有能な軍師が付いていると思います。
賽は投げられました。後は国民がどう判断するかです。次世代の党のような当たり前のことを言える政党も出て来ました。今まではまともなことを考えている国民にとっては、投票する政党がありませんでしたが、ようやくまともな政党が出て来たと思います。戦後70年間、アメリカの言いなりの時代が続いたため、骨抜きにされ、大きく政治を変えることは出来ませんでしたが、いよいよ時代は変わり始めました。
・株式日記と経済展望