<朝倉慶氏サイトより転載>
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01/16
スイス中銀 為替介入を放棄宣言
売りポジション4000億円超は大損失
今年に入って驚くようなビッグニュースが飛び出すことが相次いでいますが、本日はスイス中銀のいきなりの為替介入の放棄宣言が飛び出しました。スイス中銀は1ユーロ1.2スイスフランを何が何でも死守すると3年前に公言し、無制限の為替介入を続けてきましたが、さすがに膨大に膨れ上がったユーロに頭を抱え、ついに今までの為替介入方針を放棄すると宣言したのです。この驚きのニュースを受けて、スイスフランは暴騰、1ユーロ、1.2フランが0.85フランまで30%も急騰となったのです。何しろヘッジファンドはじめ投資家はスイス中銀がまさか方針転換するとは思っていません。そのためスイスフランが1ユーロ1.2フランのところにきた時点で大量の売りポジションを構築していたわけです。その額は約4000億円を超えていました。これが一気に損切り巻き戻しとなったのですからたまりません。
一方でスイス中銀も保有しているユーロの損失は膨大な額となっています。今後スイス中銀の方針については責任問題も含めて議論が沸騰すると思われます。因みに3年前に書いた徳間書店から出した拙著<もうこれは世界大恐慌>のなかで、スイス中銀はいずれこのような事態に陥るとはっきり無制限介入の危険性を指摘し、書きました。スイス中銀の無謀な政策のつけは大きいと思います。 <転載終わり> -------------------------------- スイス中央銀行がスイスフランの為替介入を停止すると発表したため、スイスフランは一気に30%急騰しました。 その影響で、スイスフランの相場が激変し、デフレ傾向となっていたスイス経済は、更にデフレ傾向が強まるようです。
また、東欧を中心にスイスフラン建てで住宅ローンを組んでいる人たちは、一気に返済額が3割以上増えてしまったそうです。 日本人から見れば、スイスフランの事件については、あまり身近に感じられないかも知れませんが、FRBや日銀が金融緩和を停止すれば、日本にも大きな影響が出ることになります。 スイスは西洋イシヤの奥の院ですが、2015年に入り、少し動いて来たようです。日銀もスイス中央銀行と連動していますので、日銀が国債の購入を中止すると発表する可能性もあります。 今年は大きな動きが出て来るようですので、世界経済に激震が走る事件もあると思います。日本も影響を受けるとは思いますが、アメリカやEU、中国などよりもダメージは少ないと思います。今年は様々な出来事が報道されると思いますが、あまり慌てずに冷静にいることがよいと思います。 ・朝倉慶氏公式サイト