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新渡戸記念館が解体の危機

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<ねずさんのひとりごと より転載>

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報道記事(クリックすると大きくなります)
20150605 新渡戸記念館



先日、新渡戸稲造博士の『武士道』の要約を掲載させていただきましたが、その新渡戸稲造博士の遺徳を讃え、博士所蔵の文庫や新渡戸家に代々伝わる武具などを展示した記念館が青森県十和田市にあります。
それが「十和田市立新渡戸記念館」です。

この記念館には、かつて高松宮殿下、三笠宮殿下をはじめとして、佐藤春夫氏、稲造博士の教え子である南原繁氏、田中耕太郎氏などが閲覧におとずれてもいます。
そしていま、この記念館は新渡戸家8代目の新渡戸常憲さんが、館長をしておいでになります。

ところが、この「十和田市立・新渡戸記念館」、十和田市長の小山田久が突然、
「新渡戸記念館の耐震性に問題がある」といいがかりをつけ、今月末までの廃館と、今年度中の解体撤去を要求してきたのだそうです。

新渡戸家では、突然のことに驚き、著名な専門家の方々に市から提出された報告書を見てもらったところ、おかしな点がいくつもあり、この報告書は信頼性に乏しいということでした。
記念館側では、市の耐震調査について疑義を抱き、市に話し合いを求めましたが、市長はまったく話し合いの機会すら持とうとしません。
ようやく28日に会えたものの、まるでヤクザのような恫喝があっただけです。これまたありえないことです。
そのテクチは、まるで昨日の当ブログの記事そのものです。

この記念館は、建物は市の所有ですが、土地と資料のほとんどは新渡戸家の所有財産です。
ところがこれについても市は、「建物の所有権は市にあり、記念館内の資料(約8千点)は市民共有の財産である」と主張しています。
そして「資料の保存については話し合いに応じる」「市の所有のものは保存するが、新渡戸家のものは市の文化財に指定となっているにもかかわらず、市に寄贈すれば大切に扱い、寄贈しなければ勝手にしろ」というのだそうです。

これまた行政の主張としては、きわめて不思議な話です。
建物の所有権は、建物内の動産に及ぶものではありません。
加えて、この建物が「記念館」である以上、本来、値打ちのあるのは所蔵資料の方であって、建物ではありません。しかし、その建物も稲造の後輩でもある生田勉の意匠設計、日本建築学会会長を務めた佐藤武夫のコンビによる国内に現存する唯一の建物です。

ところが、なるほど法的財産としては、建物に不動産としての売却価値があり、動産にはほとんど価値がない。
さらに「記念館を取り壊し」てしまえば、その建物不動産もこの世から消えるわけで、そうなると歴史的記念物である記念館所蔵品は、果たしてどうなるのか。
所蔵品に関する動産の所有権は、新渡戸家が保有しているはずなのですが、これさえも建物取り壊しに際して市が摂取するというのか、それをどのように保管するというのは、そのあたりも極めて曖昧です。

要するに、「記念館」の建物が市の所有であることを理由に、ただ「取り壊し」だけを市長は一方的に記念館側に通告しているわけで、我々からしますと不思議なのは、
「では、記念館保有の資料はどうなるの?」ということです。

そのあたりについて、まったく具体案が示されないということは、市長は、ただ新渡戸稲造博士の記念館を取り壊してこの世から抹殺することだけを目的にしているとしか言いようがありません。

記念館は、現状、今年4月に強制的に休館とさせられていますが、市は、7月以降、記念館の電気を止めると言っているのだそうです。
理由は、市の観光商工部の横道彰部長いわく、
「市では、記念館を廃館にすると決まっている。廃館になれば電気代を払う財源はない。市の所有でない物に税金を使うことはできない」
と主張しているのだそうです。

どういうことかというと、市は、「市長命令で廃館を決めた」というのです。
だから「廃館なら電気代は払えない」というわけです。

けれど、少し考えたらわかりますが、これは矛盾です。
市は、もともとは市の所有物である建物について、あくまで「耐震性に問題がある」から「建物を取り壊したい」と主張していただけです。
廃館と言っていたわけではありません。

しかも建物を取り壊しても、そこには新渡戸稲造博士の愛用品や、新渡戸家伝来の甲冑(かっちゅう)が並び、室町時代の物などの遺産があるのです。
それら約8000点の資料をどうするのか。

そもそも耐震性に問題があるというならば、建物の補強工事をするなり、建替をすれば良いだけの話です。
それがいつの間にか「今月末廃館」が前提となり、来月からは電気も停められるという。
しかも、廃館後、館内の資料をどのようにするかについて、まるで考えがありません。「これから考える」のだそうです。

この記念館の電気を停めるというのは、行政にあるまじき、極めて無責任な行為です。
というのは、漆製品の変形や文書にカビが生じる恐れがあるからです。
いったい市は、歴史的記念品について、どう考えているのでしょうか。

新渡戸家といえば、十和田の地を開拓した大功労者です。
また、新渡戸稲造博士は、名著『武士道』を世界にしらしめた、日本が誇る偉人です。

そして、今回の記念館の取り壊しは、これまでの経緯を見れば、耐震性云々が問題なのではなく、どうみても「記念館取潰しありき」です。
つまり、十和田の歴史と、名家、そして『武士道』をこの世から抹殺しようとする何らかの意図が裏で働いているとしか思えません。

そういえば、武士も武士道も、「ウリ達の国で生まれたものニダ」と主張している国や団体があるそうです。
日本に武士がいて、日本に武士道があったことの証明が気に入らない勢力が、暗躍しているのかもしれません。

私は、一刻も早く、十和田市政が、本来の日本人としての自覚と誇りを取り戻し、記念館の保全に動いてくれることを望んでやみません。

実はこの問題については、今年3月19日に十和田市議会が「新渡戸記念館の展示資料等の継続的展示に関する決議」を全会一致で可決しています。
それが下の決議書です。
にも関わらず、市は、取り壊しを既成事実として押し切ろうとしているわけです。これまた、ありえないことです。議会軽視も甚だしい。

十和田市議会における「新渡戸記念館の展示資料等の継続的展示に関する決議」案 (3 月 19 日全会一致で可決)
新渡戸記念館の展示資料等の継続的展示に関する決議

十和田市民のみなさん、十和田市議のみなさん、十和田の教育委員会のみなさん。そして青森県議のみなさん、青森選出の国会議員のみなさん、どうか、みなさんのお力で、なんとかして新渡戸稲造記念館の保全を進めていただきたいと思います。

新渡戸記念館を護りましょう!!

■新渡戸記念館HP
http://www.towada.or.jp/nitobe/index.html

■関連報道
1 十和田新渡戸記念館 存廃協議は平行線(2015年05月29日)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201505/20150529_43046.html
2 新渡戸記念館 収蔵資料8000点ピンチ(2015年06月03日)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150603_25008.html

■記念館を守ろうとする有志たちのFacebookページ
https://www.facebook.com/pages/Save-The-Towada/354981788022090?sk=timeline

■関連記事
『武士道』新渡戸稲造を読む
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2658.html

  <転載終わり>   -----------------------------    新渡戸稲造博士といえば、『武士道』の著者として世界的にも有名な博士です。その新渡戸稲造博士所蔵の文庫や新渡戸家に代々伝わる甲冑などの武具などを展示した「十和田市立新渡戸記念館」が青森県十和田市にあります。

 『この「十和田市立・新渡戸記念館」に対して、十和田市長の小山田久が突然、「新渡戸記念館の耐震性に問題がある」といいがかりをつけ、6月末までの廃館と、今年度中の解体撤去を要求してきたのだそうです。

 新渡戸家では、著名な専門家の方々に、市から提出された報告書を見てもらったところ、おかしな点がいくつもあり、この報告書は信頼性に乏しいということでした。
 記念館側では、市の耐震調査について疑義を抱き、市に話し合いを求めましたが、市長はまったく話し合いの機会すら持とうといないそうです。ようやく28日に会えたものの、まるでヤクザのような恫喝があっただけだそうです。

この記念館は、建物は市の所有ですが、土地と資料のほとんどは新渡戸家の所有財産です。
ところがこれについても市は、「建物の所有権は市にあり、記念館内の資料(約8千点)は市民共有の財産である」と主張しています。
そして「資料の保存については話し合いに応じる」「市の所有のものは保存するが、新渡戸家のものは市の文化財に指定となっているにもかかわらず、市に寄贈すれば大切に扱い、寄贈しなければ勝手にしろ」というのだそうです。』

 このような十和田市の解体要求は、まったく正当性のないものです。新渡戸家が話し合いをしたいと言っているのに、話し合いもせずに一方的に解体だというのは、誰がみてもおかしなことです。こんな横暴なことがあるのかと驚いたと同時に、大変腹立たしく思いました。今まで市側とは上手くやって来たのに、急にこのようなことを言ってきたというのは、何かウラがあるということです。日本に武士道があってはマズいと思っている国からの圧力かも知れません。  新渡戸記念館を守るために、微力ですが動きたいと思います。               ・ねずさんのひとりごと

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