<日本経済新聞より>
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トランプ氏、共和党候補指名確実に クルーズ氏撤退
【ワシントン=川合智之】米大統領選の共和党候補指名争いは3日、不動産王ドナルド・トランプ氏(69)の指名獲得が確実になった。対抗馬の保守強硬派、テッド・クルーズ上院議員(45)が3日、中西部インディアナ州予備選で敗れ、選挙戦からの撤退を表明した。
共和党全国委員会のプリーバス委員長は予備選の結果を受け、トランプ氏が暫定的な党候補だとしたうえで「我々は団結し、ヒラリー・クリントン前米国務長官を破ることに集中する必要がある」とツイッターで表明した。
米CNNによると、トランプ氏はインディアナ州の代議員の大半を獲得し、これまでに獲得した代議員数は1053人になった。7月の共和党大会までに過半数の1237人の獲得が射程に入った。
3位のオハイオ州のジョン・ケーシック知事(63)は選挙戦撤退を表明していないが、獲得代議員数は156人と大差がついている。トランプ氏の党大会での指名獲得は確実な情勢だ。
クルーズ氏とケーシック氏はインディアナ州での選挙協力で合意し、クルーズ氏に票を一本化する方針だったが、トランプ氏は50%以上の得票率を得て圧勝した。
<転載終わり>
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トランプ氏が共和党候補指名を確実にしたそうです。代議員の過半数である1237人を獲得すれば確定とのことですが、現在1053人を獲得していますので、候補氏名は確実と思われます。
マスコミやウォール街に非難され続けてきたトランプ氏が、ここまで躍進するとは誰も考えてはいませんでした。私もトランプ氏は大統領選を盛り上げるためのヒール役ではないかと思っていましたが、予想に反して米国民は彼を支持しました。
この背景には様々な要因が考えられますが、「対立」という観点でみると分りやすいように思います。トランプ氏は、メキシコとの国境に壁を作れとか、イスラムへの敵視など、誰もが思っていても口に出せないことを平気で言ってくれることが支持率を伸ばす要因になったのではないかと思います。日本へも安保ただ乗りだと批判しています。また、TPPにも反対しているので、彼は、反グローバリズムではないかと思います。米国民は、グローバリズムでは戦争とバブル経済ばかりで、自分たちの生活が豊かにはなれないと感じているように思います。ここには「グローバリズム」と「ナショナリズム」の対立を見ることができます。同時に共和党内の「エスタブリッシュメント」と「大衆」の対立も見えます。「ユダヤ財閥」 vs 「大衆」でもあります。
また、面白いことに、ローマ法王が「トランプ氏はキリスト教徒ではない」と発言すると、更にトランプ氏の支持率が上がったのです。アメリカはプロテスタントの国ですので、ローマ法王を頂点とするカソリックへの反発があったように思います。ここには「カソリック」と「プロテスタント」の対立が見えます。
このまま行くと、トランプ氏が共和党の候補になりますが、その後はおそらくヒラリー氏との対決になると思われます。ウォール街などの米支配層が支持しているヒラリー氏とトランプ氏の対決には、「支配層」 vs 「国民」という対立を見ることができます。支配層に打ち勝つことは普通に考えれば相当難しいと思いますが、大衆が団結すればできないことはないように思います。ただ、アメリカはユダヤが握っている国ですので、最終的にトランプ氏が大統領になったのであれば、ユダヤの承認があったともいえますが。
トランプ氏の人気を見ていると、日本を引っ張った田中角栄氏とかぶります。すべてが行き詰まってしまったアメリカで望まれるのは、義理人情にあつい強引なリーダーなのかも知れません。かつて田中角栄氏を批判していた石原慎太郎氏が、角栄氏を評価する「天才」という著書を最近発行しましたね。
安倍首相は角栄氏とはタイプが違いますが、日本を引っ張るリーダーであることには違いありません。6日に行なわれたプーチン大統領との会談は、大きな実りがあったようです。9月の再会談では北方領土問題や極東の開発などが具体的に話し合われると思われます。アメリカが日本を離れれば、日本は動きやすくなります。岩戸が開かれた今、いよいよ本物の日本が現れて来ると思います。