■ 睡眠薬の消費量が世界一の日本
世界で最も薬を消費している国はどこかご存知ですか? 日本は、世界中の薬の約40%を消費しているそうです。一人当たりに換算すると、日本がダントツで一位です。そして日本の中で最も消費されている薬が降圧剤で、売上は年間で約1兆円だそうです。
また、睡眠薬や精神安定剤の売上は、年間約10億錠とこちらも日本が世界一なんだそうです! 人口が約1億二千万人ですから、子供を含めて国民全員が一人あたり約8錠の睡眠薬を飲んでいることになります。
なんで日本ではこんなに睡眠薬や安定剤を大量に消費しているのでしょうか? 2012年の読売新聞には、以下のようにあります。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『抗不安薬依存 深刻に』
<医師が漫然処方/使用量 アメリカの6倍>
欧米では、治療指針で処方期間を4週間以内とするなど、早くから対策が講じられた。 英国ではベンゾ系薬剤をやめるための専門施設もある。ところが日本では、多くの精神科医や内科医が「飲み続けても安全」と、漫然と使い続けた。国連の国際麻薬統制委員会の2010年報告では、日本はベンゾ系睡眠薬の使用量が突出して多く、同一人口当たりの使用量は米国の約6倍だ。10年以上の服用者も多く、常用量依存患者は相当数に上ると見られる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
この記事にあるように、欧米では睡眠薬の処方期間は、4週間以内と決められていますが、日本の精神科や内科の医師は、飲み続けても安全だとして、無期限に処方しているのが現状です。
睡眠薬には以下の種類があります。
・超短時間型(半減期が2~4時間程度):ゾルピデム(マイスリー)、トリアゾラム(ハルシオン)、ゾピクロン(アモバン)、エスゾピクロン(ルネスタ)
・短時間型(半減期が6~12時間程度):ブロチゾラム(レンドルミン)、ロルメタゼパム(ロラメット、エバミール)、リルマザホン(リ スミー)
・中時間型(半減期が12~24時間程度):フルニトラゼパム(ロヒプノール、サイレース)、二トラゼパム(ベンザリン、ネルボン)、エスタゾラム(ユーロジン)、二メタゼパム(エリミン)
・長時間型(半減期が24時間以上):クアゼパム(ドラール)、フルラゼパム(ダルメート、ベノジール)、ハロキサゾラム(ソメリン)
睡眠薬のマイスリーの副作用を調べてみたところ、以下のように書かれていました。
服用後30分くらいすると、訳の分からない事を言い始める。 服用後30分くらいすると、訳の分からない行動を取り始める。 気持ちが楽になり、不安な感情も消えてくれる。
■ 睡眠薬を常用すると1.5倍も認知症を発病しやすくなる
イギリス医師会傘下の医学系出版社であるBMJ誌(2014年9月9日号オンライン版)に、「睡眠薬を常用すると、認知症になりやすい」というショッキングな記事が掲載されました。以下、抜粋になります。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
フランス・ボルドー大学のSophie Billioti de Gage氏グループは、カナダのケベック州で、初めてアルツハイマー病と診断された1,796例を特定して6年間追跡した。そして、対象である7,184例と比較検討した。被験者は、2000~2009年に同地に居住していた66歳以上の高齢者から無作為にサンプリングされた。
主要評価項目は、アルツハイマー病と、睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)の関係。
結果、睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)の使用は、アルツハイマー病のリスク増大と関連していた。睡眠薬を投与されたグループは、投与されないグループと比べ、約1.5倍認知症を発症していた。
睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)使用との関連について、累積用量が処方91日未満では認められなかったが、91~180日では1.32倍、180日超では1.84倍と、累積用量が多くなるほど関連は増大することが示された。
――――――――――――――――――――――――――――――――
この記事によると、睡眠薬を91日飲んだグループは、認知症を発症しなかったそうですが、91~180日飲んだグループは、睡眠薬を飲まない人の1.32倍も認知症を発症したとのことです。180日以上睡眠薬を飲んだグループは、1.84倍も発症したそうです。睡眠薬を飲むと、認知症を発症しやすいということが、この研究で判明したのです。このことから、欧米では睡眠薬の処方期間が4週間以内と決まっていると思われます。
睡眠薬を3ヶ月以上飲むと、認知症を発症しやすくなるので、できる限り睡眠薬を飲まないことが賢明です。
■ 肉を食べると認知症になりやすい?
BMC Medicineに掲載されたオーストラリアのディーキン大学とオーストラリア国立大学の研究論文によると、肉食やジャンクフードを長期間食べていると、脳の海馬が萎縮し、認知症を発症しやすくなるそうです。
2001年に約250人の60代前半の人たちを対象に、MRIスキャンで彼等の脳を検査したところ、野菜、果物、魚を中心とした健康的な食生活を送ってきた人たちの脳は、加工食品、脂肪分、精製塩、糖分の多い食品を食べ続けてきた人たちに比べて、脳の海馬(記憶、学習、メンタルヘルスをつかさどる部分)が大きいことが分かったそうです。
肉類や、加工食品、糖分の多い飲み物、脂肪分の多い食品を長期間摂取すると、記憶、学習、メンタルヘルスをつかさどる脳の海馬が委縮することが研究成果によって明らかになりました。人間の食べ物は五穀・野菜ですね。